戦士道3
私は、白魔導師と冒険する日々を続けていた。
硫黄の臭いが立ちこめる、ダングルフの涸れ谷。
しめった空気、カビ臭いにおい、薄暗い洞窟、凶悪なクゥダフ族に占拠されてしまったパルブロ鉱山。
など、様々な場所を冒険する。
そんな中、また新たな仲間が私達のパーティに加わった。
職業は、シーフ。
盗賊だが、冒険者からはいっさい盗む事はない。と何かこだわりを持った自分曰く正義のシーフだそうだ。
しかし、敵の隙をついた背後からの攻撃は戦士顔負けの攻撃力を持っており、まだまだ修行が足りない、、と自分の力不足を感じさせられる。
今日は、砂丘という砂浜に足を運んでみた。
美しい海が広がり、白い砂浜、強い日差しに吹き抜ける風。
思わず、泳ぎたくなってくる場所だ。
しばし、冒険の事を忘れ、景色を堪能していた。
そこへ、悲劇が起きた!
港町セルビナから、一人の冒険者があわてて出てきて、こういったのだ。
「海賊船がでたぞーー!」
セルビナともう一つの港町マウラを結ぶ、航海船に海賊船がでた、というのだ。
さっそくセルビナに足を運んでみると、そこには悲惨な光景が広がっていた。
大勢の傷ついた冒険者、また、死亡者も多数いるようだ。
傷ついた冒険者に、白魔導師が手当をする。
その冒険者が言うには、海賊船はアンデットモンスターであるスケルトンを召還してきた、というのだ。
数十人の冒険者が乗船していたが、とても太刀打ちできなかったらしい。
その冒険者の友は、自分を守ろうと犠牲になったらしい。
白魔導師は、その友人に回復魔法をかけたが、やはりダメだった。。
私は、自分の無力さに怒りさえ感じてきた。もっと修行をかさね、悪の根をつぶしてやる、と心に誓った。
すうっと、一人の人物がその友人に近寄った。
「むごい、、、」
その人物は、そう言うと何かを唱え始めた。
「おい、あんた!残念だが、そいつはもう死んでる」シーフは言ったが、その人物は唱え続けた。
そして、その人物の手が光はじめると、奇跡が起こったのだ!
「ゴホッ!ゲホッ!」
なんと友人が息を吹き返した!!
「!?」「こ、これは、、、高位魔法のレイズ!」
白魔導師が言うには、修行をかさねた白魔導師の熟練者が取得できる、蘇生術のレイズというのがあるらしい。
「熟練者が集う、ジュノでならまだしも、まさかここで拝める事ができるとはのぉ、、」
次々に、犠牲になった冒険者が生き返る。
「わしの夢は、ああいった人の為に役に立つ事なんじゃ、、」
白魔導師は、そう言うと、蘇生が終わりその場をさっていくその冒険者をいつまでも見ていた。
つづく
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